先週に引き続き、今週も福光美術館常設展をご紹介です(。-∀-)
今週は世界的な版画家、棟方志功氏の作品に触れてみようと思います!

棟方志功氏は1945年(昭和20年)疎開のため富山県の福光町(現南砺市)に移住。
1954年(昭和29年)まで在住されました。
彼は版画を「板画」と称し、木版の特徴を生かした作品を一貫して作り続けました。
棟方氏はこの地の自然をこよなく愛し、また多くの作品を残してくださいました。
富山県に疎開して浄土真宗にふれていく中で、仏を題材にした作品が特に有名です。

「いままでの自分が持っているル一ツの自力の世界、
 自分というものは自分の力で仕事をするというようなことからいや、
 自分というものは小さいことだ。自分というものは、なんという無力なものか。
 何でもないほどの小さいものだという在り方
 自分から物が生まれたほど小さいものはない。
 そういうようなことをこの真宗の教義から教わったような気がします」

棟方氏が浄土真宗にふれながらこの地で過ごしている時に発した言葉です。
自然広がる福光町と浄土真宗が彼の内面に大きな影響を与えたと思われます。

 

『 二菩薩釈迦十大弟子 』
文殊・普賢のニ菩薩と釈迦の10人の高弟の姿の版画です。
白と黒のコントラストで力強さを表現した作品。
1955年サンパウロビエンナーレ国際美術展で版画部門最高賞、
1956年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展にて
グランプリの国際版画大賞を受賞した代表作なのです( *´艸`)

 

棟方氏は創作活動の傍ら、近くの小学校に呼ばれて特別授業を行っていたそうです。
棟方氏を訪れる人はだれとなく画室に招き入れて、版画の彫り方や摺り方まで
丁寧に教えていた、という話を耳にした事があります(*^ω^*)
立山や富山湾などの自然に包まれ、福光町の素朴な子供達や人々とのふれあいなど、
棟方氏にとっては居心地の良い、幸福な毎日だったのではないでしょうか。

版画においてはダイナミックで力強く、倭画においては装飾性豊かな色彩表現。
多様な表現力を持った棟方志功氏の作品を鑑賞する事が出来て眼福でした!

常設展だけでも一見の価値がある福光美術館。
ゆっくりとした雰囲気で芸術鑑賞に浸りたい御方は、是非とも福光美術館にて
素敵なお時間をお過ごしくださいませ:;*(人´∀`)♪

(20211116YK)